2005年12月10日(土)14時より、三渓園にてJAGフォーラム2005 第5回「−開国日本と横浜のランドスケープ−」<横浜>が開催されます。
【イベント詳細】
2003年度からのガーデンフォーラムでは、さまざまな視点から近代庭園を学んでまいりました。
1859年の神奈川開港から146年、新たな日本は、この横浜から出発したと言っても過言ではありません。その9年後の1868年、日本は明治となります。幕末から現在は、わずかに140年。近代は、様々な資料が溢れているにもかかわらず、こと庭園史については、手付かずの状態にあります。
関東大震災で建造物は倒壊し、世界大戦で消失してしまった建造物など、わずか100年前の人物像は、「庭」を通した目でみた人物像の発掘の方が、掘り尽された古典庭園史の発掘作業よりもさらに難しいことかもしれません。この、近代庭園史を知ることは、私たちにとってこの先の未来に、繋げる計り知れない研究分野となることでしょう。
JAG(ジャパンガーデンデザイナーズ協会)の第三期目では、ガーデンフォーラム2005―近代日本、庭園観とランドスケープの系譜―”というテーマで、近代における日本にとってリゾートとしてのランドスケープとはなんなのかについて学んでいきます。
第三期は、会場を神奈川に移し、外国人居留地・商業新開地「横浜」〜保養地「湘南・箱根」へと幕末・明治・大正・昭和期の近代におけるランドスケープの思惟と保養地形成としての新開地湘南を世相背景から推移したいと思います。
第一回目は「西の桂に東の三渓」と謳われた横浜三渓園に焦点を当て、幕末横浜の姿から原三渓(富太郎)その人までを横浜の立地と人物像・世相背景の両側面から三渓を観照します。幕末の横浜港は、江戸より「遠からず近からず」の位置として開港し、外国人居留地として新開地が構成され、生糸を始めとする商業都市して成形されてきました。
そのなかで生糸貿易が生んだ豪商原富太郎は、古美術を蒐集し、古建築を移して、理想美術館「三渓園」を造営し、公開を目指した。さらにパトロン [patron]として近代文芸者、近代日本画家を育成し得た実業家三渓のランドスケープ観を探りたいと思います。
第二回目は、新開地湘南、明治・大正期の逗子・葉山・鎌倉・鵠沼・茅ヶ崎の、別荘文化を取り上げる予定です。湘南の海岸線の土地は、砂地のやせ地で松原や草地が広がり、実り豊かな土地とはいえなかったといわれ、海岸線の砂丘地帯に価値を持ち、近代史上に重要な役割を果たすのは明治の半ばに入ってから鉄道の普及からといわれている。
第三回目は、第二回目にひきつづき、大磯・小田原湘南の別荘を取り上げます。天皇家の御用邸は、葉山・鎌倉・小田原にあった。その周囲には、皇族・華族・元老・軍人・政治家などの別荘が配置されていた。明治・大正期の歴代首相、伊藤博文を始め、山縣有朋、大隈重信、桂太郎、西園寺公望、浜口雄幸などがこの湘南に関りをもっている。また、三井・三菱・浅野などの財閥系の別荘、文士・芸能史に名を連ねた多彩な人々が、この湘南の砂に埋もれています。リゾート湘南としての別荘の庭は、はたしてどの様なものだったのか、
第四回目は、リゾート地、箱根。明治44年(1911)に小田原電気鉄道(箱根登山鉄道の前身)がこのあたり一帯の所有となり、土地の分譲が始まった。夏涼しい強羅は別荘地として人気を呼び、岩崎家の別荘である「強羅環翠楼」など湯本に次ぐ温泉郷としての賑わいに、別荘地として財界・文人をはじめ多くの著名人が別荘を建てた。今では別荘の多くは、会社の寮、保養所になっていますが、最高級旅館といわれる強羅花壇は、(元閑院宮家の別荘)、昭和天皇・皇后両陛下がお泊りになったこともある。
そんな別荘族が楽しめる場所として強羅公園が作られた。強羅公園はわが国最初のフランス式庭園、公園の中心に噴水が作られ、音楽堂やプ−ルもある当時としては大変おしゃれな公園であったという。付属温室で咲かせた輸入植物を全園に植え込み来園者を驚かせたというエピソ−ドも残っている。
白雲洞茶苑には「白雲洞」「不染庵(ふせんあん)」「対字斎(たいじさい)」「寄付(よりつき)」の4つの茶室と浴室「白鹿湯(はくろくとう)」の5棟がある。対字斎を除く4つの建物は強羅開発のときに益田孝(鈍翁・三井コンツェルン設立者・男爵)が現在の場所に創設した。
その後、大正11年(1922)に原富太郎(三渓・明治~大正前期の実業家。「対字斎」を増築)に譲られ、さらに昭和15年(1940)には電力王として知られる松永安左衛門(耳庵)にと、近代三代茶人に受け継がれてきた由緒ある茶苑であり、平成13年(2001)9月に国の登録有形文化財に登録された。
− これは庭づくり、街づくりのサミットです −
JAGジャパンガーデンデザイナーズ協会では2005年7月24日(日)、愛・地球博 EXPOドームにおいて庭づくりを通した21世紀の環境について考 えるトークセッションを開催します。私達は、このトークセッションは“庭づくり・街づくりサミット”だと考えています。
【イベント詳細】
これまで、個々のものと思いがちであった個人庭ですが一つ一つの庭がつながり、一軒一軒の家が一本ずつ木を植えることで夏は心地よい木陰をわれわれに提供 し、小鳥や小動物、虫たちの通り道をつくり子供も大人も、日々四季を感じる街をつくりだすことができます。
つまり、21世紀の街づくりは実は目の前の庭先にかけがえの無いヒントが隠されていると私達は考えました。
7月24日は、実際に「庭」や「植物」を通し美しい街づくりを実践、啓蒙されているあらゆる人々やグループが全国からEXPOドームに集結します。
そしてパネリストと共に21世紀のガーデンデザインと街づくりの可能性を探っていきます。
この記念すべき時間、場をより多くの仲間と共有できれば幸いです。是非大勢お誘い合わせの上、JAG GARDEN FORUM 2005 AICHI EXPOにご参加下さい。
日本旅行(藤沢支店 担当:植木勇)のご協力で、全国からのツアーや宿泊等、フォーラム参加への手配をお願いできる事となりました。最寄の支店のご紹介、 各種お問い合わせ等お気軽にご相談下さい。
今回のイベントを一緒に盛り上げてくれる「JAG in 愛知EXPOサポーター会員」を募集します
今回の会場は3000人収容のEXPOドームです。会員の皆様の積極的な御協力を是非お願いいたします。友達とツアーを企画してくださる会員、お店等でポ スターを掲示し、PRしてくださる会員、当日会場でお手伝いしてくださる会員がおられましたらJAG事務局へご連絡下さい。
2005年5月21日(土)15時より、住吉神社 能楽殿にてJAGフォーラム2005 第3回「−竹林から九州新幹線つばめまで−」<福岡>が開催されます。
【イベント詳細】
2005年4月16日(土)15時より、東邦レオ株式会社 東京支店にてJAGフォーラム2005 第2回「雑木の庭―近代日本庭園と自然主義―」<東京>が開催されます。
【イベント詳細】
2003年10月から2004年5月にかけて開催したJAGフォーラムの流れを受け、2005年も引き続きJAGフォーラムを開催することとなりました。
是非、皆様の新しい2005年スケジュール帳に書き加えて下さい。
【イベント詳細】
JAGではガーデンフォーラム2005の第1回目として、京都を会場とし、近代日本庭園の先覚者と言える植治(七代目小川治兵衛)に焦点を当てたシンポジ ウムと庭園見学会を企画いたしました。
第1日目は植治の研究の第一人者である尼崎博正先生の基調講演を柱とし、私達が今後の住宅庭園や都市を考える上で大いに参考にするべきと言える植治が果た した役割について学び、会場の参加者と一緒に考えるパネルディスカッションを開催します。
また第2日目は、植治が創り上げた庭園(非公開含む)を実際に訪問し、先生のお話を伺います。
この大変貴重と言える機会に是非大勢ご参加ください。